北海道は南国 8泊9日の北欧探訪記 -第ニ弾-
3/26~3/28 Stockholm -Sweden-
~The truth is stranger than Nobel~
こんにちは。さっきホステルで酔っ払ったルーマニア人に絡まれました。
さて、前回はスウェーデンの食文化を中心に投稿しました。
だんだん、うんちく投稿みたいになってますが気にしないでください。好きなんですよ、雑学とか。
さて、今回紹介するのは二つ。スウェーデンで最も有名というかスウェーデン人の誇りであるモノ。なんなんでしょうね。
それでは、スウェーデンのソウルを巡る旅に出航しましょう。
一つ目は前回説明した、ストックホルム国立博物館の近くの大きな建物の中にあります。ヴァーサ号博物館です。
ヴァーサ号とは、17世紀に建造されたスウェーデン海軍の戦艦です。全長69m、高さ52.5m、幅11.7mの当時としては巨大な船です。
初めて見た感想は、「うわパイレーツオブ○カリビアンみたい」
バルボッサ船長でも乗ってそうです。(知らない人すみません)
しかも大砲60門くらい積んでたんですよ?どんだけデカイんでしょう。
後で解説しますが、実はこんなに大砲積んだことがヴァーサ号の運命を決めてしまいます。
あ、でも詳しく船の解説はしません。たぶん退屈だしWikipediaの方がよっぽど詳しいので。自分の思ったことを書きます。
このヴァーサ号は穏やかな波の1628年8月10日、ストックホルム港を出航しました。
記念すべき処女航海(初めて船出すること)です。
博物館には、出航をまじまじと見守る住民の模型もあり、いかにこの船がスウェーデンの誇りだったかを伺わせます。
キラキラと光るマストと輝く装飾で埋め尽くされた船は地平線上に消えていきましたー。
…
なんて、書いてたらさぞヴァーサ号は大活躍したんだろうな~なんて思うでしょう。
そんなわけないんですねこれが。そんなどこにでもあるようないい話を、ただでさえいい話とは無縁の自分がわざわざ紹介する訳ありません。
初航海のヴァーサ号を悲劇が襲います。
1300m進んだ地点で横風を受け、転覆してしまうのです。
そしてそのまま船員150名の内、40名と共にストックホルム湾に消えていきました。
はい。相当唐突ですよね。
なんとこの船、初めての航海で沈んでしまいます。(しかも自国の港で)
原因は「大砲の積みすぎ」
60門の大砲を積んだ船は、横風を受けた途端、大砲の重みでそのまま転覆してしまったのです。
なんということでしょう。こんなに劇的ビフォーアフター以上にこの言葉が似合う出来事があるでしょうか。
やりすぎは良くないってことですね。肝に命じておきましょう。
しかしこの沈没してしまったヴァーサ号、なぜ私の目の前にいるかというと、1961年に引き揚げられたんですね。
この船はその間、実に333年間海の底で眠っていたのです。
引き揚げて調査した結果、まさにそれは天然のタイムカプセル。
大砲のほかにも船員の死体が出てきて、当時の人々の生活を知る手掛かりがたくさん出てきます。
そんなスウェーデンの歴史を背負ったヴァーサ号を、スウェーデンの人は誇りに思い、博物館を作りました。
それが、今自分のいるヴァーサ号博物館です。
スウェーデン人にとっては(初航海で沈んだとはいえ)特別なものなんですね。
(間違っても戦艦大和や武蔵の方がかっこいいとかいわないでください)
はい。ここまでがスウェーデン人のスピリットです。
前回の投稿で、スウェーデンは企業も有名って言いましたが、もうひとつ世界的に有名なものがあります。
世界の偉人に贈られるノーベル賞です。
平和賞(オスロにて行う)を除く、賞は全てここストックホルムでのコンサートホールで行われます。
あいにく、コンサートホールが閉まっていたので(痛恨のミス)今回訪れたのは授賞式の後、晩餐会が行われるストックホルム市庁舎です。
ここでちょっとノーベル賞について。
スウェーデン人の科学者でダイナマイトを発明したノーベルの遺言と遺産によって出来たのがノーベル賞ってのはみなさん知ってると思います。
ちなみにこの遺産、いくらだと思いますか?
現在の価値にして約3100万クローナ(スウェーデンの通過単位)日本円で約207億円といわれています。
おいおい、ノーベル賞受賞者って1億円くらい賞金貰ってるだろ?なくなんないのか?って声が聞こえそうです。
簡単になくなんないんですよこれが。
現在までにノーベル賞は874の個人、26の組織に与えられています。
遺産、足りないやんけ。って思うかもしれませんが、この遺産を管理しているノーベル財団は実は金利や不動産などの投資でドンドン増やしてます。
ちょっと考えてみてください。207億円って金利が0.1%の日本の銀行に預けたとしても、少なくとも20万円(少ない?)くらい返ってきます。どんどん増えるんですよ。
そんなわけで、ノーベル財団はすごい資金を持っているんですね。
話を戻しましょう。晩餐会が行われるストックホルム市庁舎は、1923年設立。写真見る限り、古くさい(失礼)って思うかもしれませんが、これは建築したデザイナーがわざと中世のヨーロッパっぽく立てたかったからです。
ちなみに、早稲田大学の講堂のモデルにもなっています。
市庁舎ツアーの11クローナ払っていざ、市庁舎の中へ。
ノーベル賞の晩餐会は市庁舎の「青の間」で行われます。中2くさいですね。
しかし実際行くと、全然青くないやんけ。金返せ。ってなると思います。
ちゃんと理由があります。
もちろん当初は青くする予定だったんですが、使っていたレンガの色合いが美しいため青くする計画は中止に。しかし「青の間」という名前だけ独り歩きして有名になってしまったため、レンガ作りなのにそのまま使ったというのです。
吹き抜けでとっても高いし広い。さぞ優雅な晩餐会…なんて思うでしょうが、晩餐会に来る人数は約1300人。香港以上の人口密度になります。
きっと常に袖が当たって「すみません」といいながら食事するんでしょう。授賞式後も大変ですね。
さてこの市庁舎、ノーベル賞だけで一般人には縁がないかというとそうでもない。
なんと、スウェーデン人でなくとも結婚式をあげることができます。
ショートバージョンとロングバージョンがあり、 ショートバージョンは30秒、ロングバージョンは3分も式を挙げられます。
…(´・ω・`)
短くね?
そうです。超短いんです。カップヌードルより短い。果たしてそんな結婚式嬉しいんでしょうか。興味ある人は是非、市庁舎のホームページへ。
さて、ここまでストックホルムを回りましたがいかがでしょう?
数年前にテロがありましたが、他のヨーロッパの都市のように軍隊が徘徊しているわけでもなく、治安は比較的良好だと思います。
振り替えってみると、IKEA、H&M、ザリガニ、船、ノーベル賞。
色んな面で面白い国です。社会保障ばかりであまり注目されないですが、ストックホルム、是非行ってみてください。(あ、夏の方がいいです。)
では、そろそろスウェーデンを出国して隣の国、ノルウェーに行きます。第三弾開幕です。
↓次作